こんにちは、kuniです。
駐輪場の段差や玄関の階段、2段式の駐輪ラック、あるいは車への積み込みで、重たい電動自転車をどう持ち上げればいいのか困ったことはありませんか。
一般的な電動アシスト自転車は25kg〜33kgほどの重さがあり、普通の自転車と同じ感覚でひょいと持ち上げようとすると、車体が傾いたり腰を痛めたりする原因になります。
また、カゴやリアキャリアのつかみやすい場所を何気なく持って引き上げると、部品が変形してしまうこともあるので注意が必要です。
この記事では、持ち上げる前に車体を軽くして安定させる下準備から、絶対に持ってはいけない部品と正しい持つ位置、腰を守る体の使い方、段差・車載・2人作業での具体的な手順までを順番にお話しします。
宅配業者を使った配送や引っ越し時の輸送手続きは別の記事で扱っているため、ここでは「自分の手で安全に持ち上げる方法と代替手段」に絞って見ていきましょう。
- 1バッテリーや荷物を外して車体を軽くする事前準備
- 2持ってよいフレームの位置と破損しやすいNG箇所
- 3ブレーキ固定と膝の屈伸を使った腰を痛めない動作
- 4段差・ラック・車載での手順とスロープ等の代替手段
知っておきたい基本ポイント
- 無理のない利用範囲(体調や路面状況に応じた安全な走行を優先)
- 事前の公式仕様確認(車体ごとの制限や自治体の最新ルールの把握)
- 定期的な日常点検(空気補充やブレーキの効きを習慣づける)
電動自転車を持ち上げる前の準備と基本姿勢
まずは、力任せに車体を浮かせようとする前に、少しでも重さと不安定さを減らす準備と、どこをどう持つのが正しいのかを見ていきましょう。
このひと手間を入れるだけで、腕や腰にかかる負担が驚くほど変わります。
バッテリーと荷物を外して軽くする
電動自転車を持ち上げる場面で、真っ先にやりたいのが「取り外せる重りをすべて車体から外すこと」です。
前後のカゴに入っている買い物袋やカバンはもちろん、チャイルドシートに乗せている荷物、ハンドルに掛けた傘やロックなどもすべて一度降ろします。
そして忘れてはいけないのが、車体に装着されているリチウムイオンバッテリーを取り外すことです。
バッテリー単体の重さは容量にもよりますが約2kg〜3kg前後あり、これを外すだけでペットボトル2本分近い重さを減らすことができます。
さらに、作業中に万が一車体を傾けたりぶつけたりした際、高価でデリケートなバッテリーを衝撃から守る意味でも、先に外して安全な場所に置いておくのが鉄則です。
※お子さまをチャイルドシートに乗せたまま車体を持ち上げるのは、転倒の危険が極めて高いため絶対に行わないでください。

電源を切りブレーキで車輪を止める
バッテリーを外したら、念のため手元スイッチの電源がオフになっていることを確認します。
次に、持ち上げる最中にタイヤが前後に転がってバランスを崩さないよう、ブレーキを使って車輪の動きを止める工夫を取り入れましょう。
1人で段差などを越えるときは、ハンドルを握る手でブレーキレバーをギュッと握ったまま車体を支えると、着地した瞬間に車体が勝手に前へ走り出すのを防げます。
また、車に積み込むときや2人で運ぶときなど、ハンドルから手を離してフレームを持つ場合は、太めの輪ゴムやマジックテープ式のベルトをブレーキレバーとグリップに巻き付けて、「常時ブレーキがかかった状態(パーキングブレーキ状態)」にしておくと車輪が固定されて格段に扱いやすくなります。
ハンドルが左右にくるんと回転してしまうのを防ぐため、ハンドルロック(くるピタなど)が付いている車種はロックもかけておきましょう。

持つべき場所と持ってはいけない部品
電動自転車のどこをつかんで持ち上げるかは、車体を壊さないためにとても重要なポイントです。
持つ場所の基本は、「ハンドルグリップ(またはステム根元)」「サドル(またはシートポスト)」「リアキャリア(荷台)の太いパイプ部分」「フレームのメインパイプ」など、車体の骨格に直接つながっている頑丈な部分です。
反対に、絶対に持って引き上げてはいけないのが、「前後のカゴ」「泥除け(フェンダー)」「チェーンケース」「手元スイッチやライト」「ブレーキワイヤーや電気コード」「スポーク(車輪の細い針金)」です。
特に前カゴの縁や泥除けの先端は、手でつかみやすい位置にあるためつい引っ張り上げたくなりますが、30kg近い車体の重みを支える構造にはなっていないため、簡単に曲がったり割れたりしてしまいます。
| 部位 | 持ち上げの可否 | 理由と注意点 |
|---|---|---|
| ハンドルグリップ・サドル | 持ってよい(基本位置) | 前後のバランスを取りやすくブレーキも同時に握れる |
| 金属製リアキャリアの太枠 | 持ってよい(後輪側) | 後ろ側を少し浮かせて横へ振る動作に向いている |
| フレームの太いパイプ | 持ってよい(車載時等) | 配線やワイヤーを一緒に握り込まないよう注意 |
| 前カゴ・泥除け・カバー類 | 絶対に持たない | 車体の重みでステーが曲がったり樹脂が割れたりする |
| 手元スイッチ・配線・スポーク | 絶対に持たない | 断線やホイールのゆがみ、故障に直結する |
フレームのパイプを持つときも、パイプのすぐ下や横に黒い電気配線やブレーキワイヤーが這っていることがあるため、コードを手のひらで押しつぶさない位置を確かめてから握ってください。

腰を痛めない体の使い方の基本
重い電動自転車を持ち上げるときにギックリ腰などを防ぐには、腕の力や背筋だけで引き上げない体の使い方が欠かせません。
厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」でも、床面などから荷物を持ち上げる際は、できるだけ身体を対象物に近づけて重心を低くし、片足を少し前に出して膝を曲げ、腰を十分に降ろしてから膝を伸ばすことで立ち上がるよう示されています。
また、荷物を持った状態で腰だけをひねる動作も負担が大きいため、向きを変えるときは足先ごと体全体の向きを変えるのがポイントです。
車体から離れた位置で腕を伸ばし、膝を伸ばしたままお辞儀をするように腰を曲げて持ち上げようとすると、腰の一点に大きな力がかかります。
まずは車体のすぐ真横にピタリと体を寄せ、お腹に軽く力を入れて背筋を保ち、太ももと膝の力で真上にスッと立ち上がる意識を持ちましょう。
◆kuniのワンポイントアドバイス
電動自転車を動かすときは、「前輪と後輪の両方を一度に空中へ持ち上げない」のが一番のコツです。
まず前輪だけ数センチ浮かせて段差に乗せ、次に後輪だけ浮かせて乗せる、と半分ずつ重さを分ければ、実際に手が支える重さは半分以下で済みますよ。
滑りにくい手袋と靴を身につける
素手やサンダル履きのまま作業すると、手が滑ったり足元がふらついたりして、車体を自分の足の上に落としてしまう危険があります。
車載や階段移動などでしっかり持ち上げる場面では、手のひらにゴムの滑り止めが付いた作業用手袋(背抜き手袋や軍手)を着けると、少ない握力でもフレームが滑りにくくなります。
また、靴はかかとまで覆われたスニーカーなどの運動靴を履き、ペダルやスタンドがすねやくるぶしに当たらないよう、長ズボンを着用して作業しましょう。
普段の押し歩きや乗り降りの基本動作については、電動自転車の乗り方と発進・停止の注意点を解説した記事でも紹介しています。
場面別の持ち上げ手順と持ち上げない工夫
基本の準備と姿勢が分かったところで、ここからは日常でよく出会う「玄関や道路の段差」「駐輪場のラック」「車への積み込み」「2人での階段移動」の具体的な手順と、そもそも持ち上げずに済ませる工夫を見ていきましょう。
自分の使っている場面に合わせて確認してみてください。
1段の段差は前後輪を別々に乗せる
歩道の縁石や玄関先の1段(10cm〜15cm程度)の段差を越えるときは、車体全体を丸ごと持ち上げる必要はありません。
まず段差の手前で一旦止まり、両手でハンドルグリップを握ってブレーキを軽くかけながら、ハンドルを少し手前上方に引いて「前輪だけ」を段差の上に乗せます。
前輪が段差の上に乗ったら、ブレーキを握って前輪が戻らないように支えつつ、片手をサドルまたはリアキャリアの太枠に添えて、膝の伸展を使いながら「後輪だけ」をヒョイと持ち上げて前へ押し出します。
電動自転車はモーターやバッテリー受け、両立スタンドなどが中央〜後ろ寄りに集まっていて後輪側のほうが重いため、後輪を浮かせるときこそ車体に体を近づけて持ち上げるのがコツです。
駐輪場の2段式ラックと利用制限
駅前の駐輪場やマンションでよく見かける「上段・下段に分かれた2段式ラック」を使うときは、そもそもその上段ラックが電動自転車に対応しているかを最初に確かめなければなりません。
たとえば船橋市の市営駐輪場の案内では、電動自転車などの重い自転車は規格外となるため上段ラックには駐輪できない旨が明記されており、事前に現地で確認するよう呼びかけられています。
(出典:船橋市「市営自転車駐車場(駐輪場)のよくある質問」)
上段ラックには耐荷重の上限(多くは20kg前後など施設により設定)があり、重すぎる電動自転車を無理に乗せると、降ろすときに支えきれず落下して大怪我につながるおそれがあります。
電動自転車は原則として平置きスペースや下段ラック、または電動車対応のガススプリング補助付きラックを選び、重量制限を超える上段へ無理に持ち上げるのは避けましょう。
車に積み込むときの2人作業と手順
レジャーや修理への持ち込みなどで、ミニバンやSUVなどの車の荷室へ電動自転車を積み込むときは、無理に1人で抱え上げず「2人作業」を基本にしてください。
バッテリーと外せる荷物をすべて外し、折りたたみモデルであれば手順通りにたたんで固定ベルトを留めます。
2人で持つときは、1人が前側(ハンドルステムの根元やフロントフォーク付近のフレーム)、もう1人が後ろ側(リアキャリアの太枠やシートチューブ付近)を持ち、「せーの」と声を合わせて同時に膝を伸ばして持ち上げます。
まず前輪だけを車の荷室の縁に乗せ、前側の人が車内で支えながら後ろ側の人が後輪を押し込むようにスライドさせると、高く持ち上げる時間を最小限にできます。
車体を横に寝かせて積む場合は、変速機やチェーンが付いている側(多くは車体の右側)を必ず「上」に向けて寝かせないと、変速機が曲がって故障する原因になるため気をつけてください。
注意:車に積む際や移動中に、モーター配線や手元スイッチを床面に激しく打ち付けないよう毛布や段ボールで保護し、走行中に荷室で車体が動かないようベルト等で確実に固定してください。
階段を2人で運ぶときの立ち位置
引っ越しや保管場所の移動などで、どうしても数段以上の階段を運ばなければならない場合も、必ず2人以上で声をかけ合いながら行いましょう。
階段で2人が前後に並ぶときは、下側に立つ人に車体の重みがかかりやすいため、体力のある人が階段の下側(低い側)を受け持つのが基本です。
また、ハンドル側を持っている人は常にブレーキレバーを握れるようにしておき、もし途中で手が疲れそうになったら「一度次の踊り場で降ろそう」と早めに声をかけてブレーキで止められる体制を作ります。
1人で25kg以上の電動自転車を抱えて階段を上り下りするのは、足を踏み外したときに車体の下敷きになる重大な危険があるため絶対にやめてください。
スロープや押し歩き機能の活用
毎日使う玄関の階段や駐輪場の段差で「毎回持ち上げるのがつらい」と感じているなら、持ち上げなくて済む道具や機能に頼るのが一番の解決策です。
数段の階段にスロープ(自転車用の溝)が付いている場所なら、無理に浮かせるのではなく、押し歩きモード(歩行補助機能)が付いた車種でゆっくり添えて上る方法がとれます。
自宅の玄関先や敷地の入り口に10cm〜20cmほどの段差がある場合は、ホームセンターや通販で手に入る「段差スロープ(段差プレート)」や、折りたたみ式の「アルミスロープ」を置くだけで、タイヤを転がしたまま出入りできるようになります。
車への積み込みが多い人も、車載用の折りたたみラダーレール(スロープ板)を1本用意しておけば、抱え上げずに押し上げて載せられますよ。
◆kuniのワンポイントアドバイス
自宅の玄関前に数千円のゴム製・樹脂製の段差プレートを1枚置くだけで、毎日の「よいしょ!」という持ち上げ作業がゼロになります。
ただし、公道(道路上)に無断で段差プレートを置くのは道路法などで禁止されているので、必ず自宅の敷地内で使えるスロープを選んでくださいね。
最初から軽い車種を選ぶ視点
もしこれから電動自転車を購入する段階、あるいは買い替えを検討している段階で、「自宅が階段のある集合住宅」「車のトランクに積む機会が多い」「駐輪場の取り回しが狭い」という条件があるなら、車体の重量そのものを最優先にして選ぶ方法があります。
同じ電動アシスト自転車でも、子乗せモデルが30kg前後あるのに対し、アルミフレームやカーボンフレームを採用した軽量モデル・折りたたみモデルでは、15kg〜20kg以下で作られている車種もあります。
車体が10kg軽くなれば、段差の乗り越えや駐輪場での方向転換の負担はまったく別物になります。
20kg以下の軽い電動自転車の比較は、軽い電動自転車おすすめと重量20kg以下の選び方を解説した記事で詳しく紹介しています。
また、車載や室内保管を前提に折りたたみの電動自転車を探している人は、折りたたみ電動自転車の選び方と重さ・収納性を比較した記事もあわせてチェックしてみてください。
移動後のバッテリー装着と各部確認
段差を越えたり車から降ろしたりして目的の場所へ車体を運び終えたら、すぐに走り出す前に、外しておいた部品と車体の状態を落ち着いて確かめましょう。
まず、ブレーキレバーを固定するために巻いていた輪ゴムやベルトを外し、左右のブレーキレバーを数回握って、普段通りの手応えで車輪が止まるかを確かめます。
次に、外しておいたバッテリーを車体のホルダーへ差し込み、「カチッ」と手応えがあるまで奥へ押し込んでから、鍵を抜いて手で引っ張っても外れないことを確認してください。
バッテリーのロックが半端なまま走り出すと、段差の振動で走行中にバッテリーが脱落するおそれがあり大変危険です。
また、車に寝かせて運んだあとや、狭い階段を通ったあとは、手元スイッチの角度がずれていないか、ライトの向きが変わっていないか、チェーンが外れかけていないかも一通り目視で点検してから電源を入れると安心ですよ。
◆kuniのワンポイントアドバイス
お店で試乗するときは、走る感覚だけでなく、電源を切った状態で「後輪を数センチ持ち上げて横に動かせるか」「両立スタンドを無理なく立てられるか」をぜひ試してみてください。
ここが自分の力で扱える重さかどうかが、毎日気持ちよく使えるかの分かれ道になりますよ。
電動自転車の持ち上げ方に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 電動自転車の後輪側を少し浮かせたいとき、どこを持てばいいですか?
A. 片手でハンドルを握ってブレーキをかけつつ、もう片方の手で「サドル」または「金属製リアキャリア(荷台)の太いパイプ部分」を持って持ち上げます。
泥除けや後ろカゴの端、ライトなどを引っ張ると破損するため持たないでください。
Q2. 持ち上げるときに車体を少しでも軽くする方法はありますか?
A. カゴの中の荷物をすべて降ろし、さらに車体からバッテリーを取り外すことで約2kg〜3kg前後軽くすることができます。
バッテリーを落として傷めるリスクも防げるため、階段や車載のときは必ず先に外してください。
Q3. 駅の2段式駐輪場の上段に電動自転車を持ち上げて停めてもいいですか?
A. 多くの2段式駐輪場では、安全上の理由やラックの耐荷重制限(20kg前後など)により、重い電動自転車の上段利用が禁止されています。
落下事故を防ぐためにも、必ず駐輪場の規約を確認し、下段や平置きスペースを利用してください。
Q4. 車に電動自転車を寝かせて積むとき、左右どちらを上にするべきですか?
A. チェーンや変速機(ディレイラー)が付いている側(一般的な自転車では車体の右側)を必ず「上」にして寝かせてください。
変速機側を下にして置くと、車体の重みで金具が曲がり、ギアが切り替わらなくなる原因になります。
Q5. 腰を痛めずに持ち上げるにはどう意識すればいいですか?
A. 車体から離れて腕や腰だけで引き上げず、車体に体をピタリと近づけ、膝を曲げて腰を落としてから、膝を伸ばす力で真上に立ち上がるのが基本です。
また、前輪と後輪を一度に浮かせず、片輪ずつ順番に段差へ乗せることで負担を大きく減らせます。
電動自転車の持ち上げ方のまとめ
最後に、電動自転車を安全に持ち上げるための手順と注意点を振り返ります。
- 作業前に荷物とバッテリーを外して車体を軽くし、電源をオフにする
- ブレーキを握るか輪ゴム等で固定し、車輪が勝手に転がるのを防ぐ
- カゴや泥除け・配線は絶対に持たず、ハンドル・サドル・荷台の太枠を持つ
- 車体に体を近づけ、膝の屈伸を使って前輪・後輪を別々に浮かせる
- 階段や車載は2人作業やスロープを活用し、2段式ラックの上段制限を守る
重たい電動自転車も、「先に軽くする・ブレーキで止める・片輪ずつ膝で上げる」という基本を押さえておけば、車体も自分の腰も守りながら落ち着いて扱うことができます。
車種ごとの持ち上げ時の注意点や駐輪設備の利用条件は異なるため、正確な情報は各メーカーの取扱説明書や各施設の公式案内をご確認ください。
また、車載方法や段差解消の用品選び、車体の点検で迷ったときは、最終的な判断は自転車販売店などの専門家にご相談ください。
この記事で参照した公式情報・公的資料
- www.mhlw.go.jp:厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」における重量物を持ち上げる際…(確認日:2026-10-24)
- www.city.funabashi.lg.jp:市営駐輪場において電動自転車等の重い自転車は規格外のため2段式の上段ラ…(確認日:2026-10-24)
あわせて読みたい「使い方・安全対策」の記事